正確には分からないが、俺が高校1、2年(1982年か3年)の時に自主制作盤とゆーのが話題になった。ザ・スターリン、ザ・スタークラブ、突然段ボール、ミラーズ、phew など、いわゆる70年代後半から始まったニューウェーブがある程度落ち着き、アンチ・コマーシャリズムとゆーか、メジャーの枠に捕らわれず、独自な活動をしつつレコードを出す形が自主制作盤だった。
中学時代からロックを聞き始め、リアルタイムではYMO、RCサクセション、プラスチックス、ヒカシュー、P‐モデルアナーキー、ディーボ(その他歌謡曲、ニューミュージックも聞いていた)が好きだった。60年代からのロックもFMでそれなりに聞いていた。 当時 買っていたFMファンとゆう雑誌に自主制作盤の紹介を見た時、今まで見た事もない怪しい雰囲気に釘付けになってしまった。まだインディーズと呼ばれる前の事だ。しかし当時は月に小遣いは5千円だったし、欲しいレコードは1枚しか買えなかったから、興味は滅茶苦茶あるけど、他の欲しいレコードを差し置いて買う勇気はなかった。
そのうち、スターリンはライブで素っ裸になったり、動物の臓物を客に向かって投げつけたりして女性誌で毎週のように取り上げらられるようになった。他のバンドはともかく、スターリンだけは目が離せなかった。
そんな時パンク、ニューウェーブ雑誌DOLLを読むようになり、スターリンのファースト自主制作アルバム「トラッシュ」(限定2000枚。ジャケ絵は宮西計三)の広告を見た時、これは買いだ!と思って早速予約して買った。感想は何これ?って感じだった。曲はともかく音が悪いし、何歌ってんだか歌詞も聞き取れない。俺がイメージしてたスターリンが崩れてしまった。
それからスターリンはメジャー・デビューして「ストップ・ジャップ」を出した。「トラッシュ」に入っていた曲も何曲かあり、音もいいし、曲もまぁまぁでそれなりに良かったが、まだ俺がイメージするスターリンとは違っていた。そのうち宝島でも取れ上げられるようになり、勢いがついた時に出たのが「虫」(1983年)だ。
このアルバムを聞いてやっと俺がイメージしていたスターリンと一致した。曲も歌詞も単純化し、無駄なものは削ぎ落とされ、まさに楽曲としてひとつの塊になって耳に直撃してくる。 「天ぷら」の歌詞は「天ぷら、天ぷら、天ぷらお前だ。天ぷら、天ぷら、天ぷらお前だ。からっぽ。からっぽ。からっぽ」てな感じだ。シンプルで大胆だ。アルバムは全体的にこんな感じで一気に畳み込み、ラストはタイトル曲「虫」で締め括られる。この曲だけは他の曲と違って、暗くて重いが、このアルバムを象徴してると思う。 80年代パンク、ニューウェーブにありがちなインテリ(遠藤ミチロウはインテリだが)っぽさが微塵もなく、ただひたすらメディアとロックに毅然と闘ってきたスターリンの最高傑作である。
最近のコメント