SO WHATにおけるライターであるTanyenyoであり、おれのサイトでのゲストライターであるところの桜日の丸が死んだそうだ。

これが伝聞でしかわからないことにずっと歯噛みしている。

死を知ったのはネットで、しばらく連絡が取れてなかったので戯れに検索していたらヒットした。

2011年の9月1日「偲ぶ会」をやっているというブログを読んだので、つまりは、それ以前に死んでいるのだろう。そのブログの管理人にコンタクトをとっておりますがその返事を待ちつつもはや4ヶ月。

彼の死んだ日も、どこに弔われてるのかも、死因がなんだったのかも、わからないことばかり。ケータイ番号とたぶんまちがいなく住所として機能してないアパートのそれしか知らない。そしてそうなると打つ手がないということも思い知る。

でも、ケータイが通じなくなったころ、返事がまったく返ってこないころを考えると、時期的に去年の夏くらいだったのかなとは思う。ちょこちょこ入院していたから、またそのタグイなのかと思ったりもしていた。

桜と出会ったのは大学だった。彼は落語研究会にいて、おれはおかたい「++研究会」ってのにいた。ともに文化系のサークルで、統括する生徒会役員みたいのを時期がちがえどやっていたので互いに面識はあった。

本格的に話をしたのは偶然ゼミがいっしょになって最初の飲み会だった。

流れが音楽の話になり、話が弾んだのがきっかけ。

田舎に18年、上京してから3年、おれの音楽的嗜好はずっと浮いていた。

「ナニソレ知らない」っていわれ続けてきた。

「週刊少年ジャンプ」で、スーペースインベーダーの音を音楽に使ってるかっこいいのが流行ってるよ!って情報でYMOを知って以下紆余紆余紆余曲折紆余曲折曲折って感じのミュージックライフだったのです。なおミュージックライフは買ってませんでしたので、まわりのハード系の音楽好きとも話が合いませんでした。

というか、「洋楽好き」はイコール「Heavy Metal好き」の時代でした。全員、「やっぱツェッペリンが」とか「マイケル・シェンカー・グループが至高」とか、そういう感じで。

かといって、邦楽はまだ歌謡曲ががっちり幅をきかせていてね。

そんな中、YMOを中心としたテクノポップ系はかなり少数派で隅っこのほうにいた。というか、少数派じゃなかった。おれのまわりじゃいなかったから。

おれは雑誌やラジオをヒントにほそぼそと音楽を探ってはきいていたのだったし、「音楽を聞く」とはそういうものだと思っていた。

あ、いや、ウソです。

そういうのが寂しかったので「仲間」を募ったりはしていた。でも、みんなつきあいレベルで、いっしょにファンになって「うぉおお」って感じはなかった。まあ、聞いてたものが聞いてたものだから拳を振り上げてどうこうってのでもなかったしなあ。

そんな中、なんのエクスキューズや前情報なしに音楽の話ができた最初のニンゲンが桜日の丸だった。「マイナーだけど**」っていって「ナニソレ知らない」とはいわなかったんだよな。みんな知ってて「渋い趣味だ」とホメてくれたな。

はじめてのことで戸惑ったけど、これは喜んでいいことなんだと、あとあとじわじわとうれしくなり、感謝していた。今も感謝している。

あいつのすごいところはどんな場やコミュニティにもいつもの間にか潜り込んでいることで、それがあいつを曲がりなりにも45歳まで生きながらえた要因ではあると推測する。いろいろなヒトの世話になり、いろいろなコミュニティに世話になり、「寄生」して比喩でもナンでもなく生き延びていた。

その片鱗は気がついたらおれのバンドにいてビートルズのカバーバンドだったところにオリジナルを持ち込んできたことからも伺える。

「ああ、オリジナルってこんな適当でも成立するんだ」と教えてくれたのもあいつだ。

そいで、バンドに入ってからは本格的に行動をともにするようになってきた。

彼は「ロッキンオン」派で、それを読んでは気になるCDを買い、「これいいよ」とおれのアパートまでもってきて多少押し付けるカタチで置いていった。それはおれの「音楽」の幅を広げるのに相当役には立った。

いっしょにCDショップにいて平気で1時間2時間とかいた。しかも御茶ノ水とかハシゴして。CDを眺めては、「これがほしい」とか「これがいいって話」とかを金と相談しつつ悩んで悩んで決めたり決めなかったり。今にして思えばとてもありがたくも贅沢な時間ではあった。以後まったくないからねそんな時間。CDを買うときは、誰かを待たせるか、待たせられるかしかない。

ずっと酒飲みだった。

今はゼロだし当時も家でひとりで飲むことはまずないおれの部屋には当然アルコールはないので、いつも持参してた。たいていパックの日本酒。そして、手酌で飲んでCDを聞いて馬鹿話をしてはしこたま酔っぱらった状態でふらふらと帰っていった。たまには階段を滑り落ちて隣のアパートの塀まで転がってアタマを強打して「いてえ」とうずくまったりしてた。

あんな、人当たりがよくて顔が広いオトコがよくこんな半自閉症のやつの家にきてたなとは未だに思うが、広かったゆえにに卒業して就職して「いろいろ」と4文字で片づけるには相当な「いろいろ」のあと、おれは富山で仕事をしていてもなお「最期」までつきあいがあったなとは思う。相手にしてくれてたというか。

そもそも「SO WHAT」自体も小冊子時代に桜日の丸がどこかの縁で参加してたのをおれに「なにか書いてみないか」と話を振ったのが縁ですからね。縁は異なもの味なものですよまったく。

まだ、実感はないので、ぼんやりとしてますが(せめて墓で手を合わせたいなとは思ってます)、遊んでくれてありがとうとは伝えたいかな。

ということで、ここから本文です。

桜日の丸が教えてくれた音楽。

1番はこれかもしれない。jellyfishの「bellybutton」ね。1stです。

当時はもうけっこうな話題になってた。たしか、いっしょにCDショップで買った。2軒目か3軒目で。

さっきも書きましたが、縁は異なもの?ってのは、モノにもあてはまるわけで、このタイミングでこう出会ったからこそスキ(キライ)になったということが往々にしてある。おれの場合、音楽はとくに大きいと思う。

桜日の丸とどこかのCDショップで買ったあとそのままおれの家にいって2曲くらい聞いたとき、とくにこの動画を貼り付けた「The Man I Used Be」が流れた瞬間の空気がなかったらそんなにハマらなかった気がする。もっといえば、教会のオルガンみたいなイントロにピアノの連弾、そしてファズトーンの切り裂くようなギターのイントロにやられた。

そういうことでいうと桜日の丸との出会いもタイミングがよかったのかもしれない。おれは当時落研がちょっとキライだったし。

もう1アーティストがこれ。They Might Be Giants。

1stアルバムから「けっこういいよ」とはいってた。桜日の丸はあまり押し付けないタイプで、相手が「No」の意思をみせたらすぐに引っ込める。

おれは、彼ら、The Men They Couldn't Hangとカンチガイしてたんですよね。そんなニセポーグスいらんわと思ってたんだよ。

でも、ニューアルバムが出るたびに「いいよ」といって、3rdの「フラッド」では持ってきて聞かせてくれて。ああ、これはいいもんじゃと。

それからはお互いにニューアルバムが出たら買う感じで。あいつは何度も来日ライブもいってる。

最近、っても、10年ちょい、ご無沙汰だけど。

そして、逆にデメリットもある。

あいつはそういうことでロッキンオンを相当古くから読んでおり、高校時代はバンドもやっていたということで、音楽、ロックに関しては「早い」し「多い」。

おれの大学時代はちょうどレコードからCDへとの移行が完了する4年間でもあり、レコード会社が1番儲かっていたであろう10年20年の幕開けでもあり、あらゆる音源がCD化されており、ロックを「勉強」しようと思ってたおれとしてはとてもありがたかった。復刻ってことで、今と比べると全然だけど、とっても「安く」売りだされてたし。

でも、あいつはいわゆる名盤をアナログでけっこう持っていた。そういわれてみれば「XTCみたいぞ」と紹介されたキャプテン・ビーフハートの「トウラウト・マスク・レプリカ」はアナログ盤を自慢気にみせてくれたな。

それだから、たとえば、「**ってどう?」ときくと、わりに答えが返ってくる。

「普通だよ」

これがあいつからかけられた呪いだったりする。

桜日の丸にとって「普通」というのはホメコトバではない。

「コンビニのゆうせんで流れていて耳をあっさり通り過ぎていく」という意味合いでの「普通」。

この呪いをかけられたために今もって聞いてないロック名盤はけっこうある。

たとえば、ザ・マザーズ・オブ・インベンションの「フリーク・アウト!」。

エルヴィス・コステロの1stと2nd。

当時花ざかりだったマンチェスター・サウンドの数々。ま、これは今もタイトルもアーティスト名も思い出せないんだけどさ。

それの最新はCLASHかな。最近のCDバカ安現象でいろいろと買い求めているときにメールでたずねてみて久しぶりに「普通」と返ってきたんだよな。「ロンドン・コーリング」。もう手に入れてしまってたよ。1stのほうが好みだそうです。

いくつものCDを貸し借りしたり、CD代も貸し借りしてて、何枚か借りパク?って怪しいのもあるがそれはもうどうしようもなくなったなあ。

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2011年の誕生日にこれを送った。

ありゃりゃ

http://30531.diarynote.jp/

おれのサイト内で連載してるという「てい」のあいつの日記を参照すればおわかりになると思うけど、どこでどう死んだのかはよくわからないけど、アル中更生施設みたいなところで出会った女性と半同棲でラブラブ状態。なおかつ音楽に興味が相当失せているようなことを書いていた。そいで、必死にEDをなんとかしようとしてた。そういや、おれにEDのクスリを通販で買ってくれなんてたのんだりしていたな。

しかしタバコ吸い始めて28年たつが一度たりとも禁煙なんかするつもりなかったもんなぁ。ドクターは3ヶ月後には薔薇色の人生が待ってますよと冗談半分に 言われたが、俺にとっては冗談ではすまされない。これで何も変わらなけりゃ禁煙した意味がない。とにかく後2ヶ月後に薔薇色の人生が来るのを待っのみだ。

これが2011年6月17日の文章。以降連絡もとれなくなったし音沙汰もなくなった。つまり薔薇色の人生はこなかったわけか、あるいは、バラ色のまま死んでいけたのか。

おれはこんな色ボケしていたあいつをみたくなかったのか、あるいは単に嫉妬していたのか。まあともかく好きだったパンクロックをきいて音楽の興味を取り戻してほしいとこのボックスを送ったのだった。

ちゃんと聞いたのかな。ま、今となってはそれを確かめるのもかなわないけどあの世ででも聞いてくれ。

そうだ。今年に入ってあいつの夢をみた。

約束してたのにこなくて怒って電話をかけたら電話先ですまなそうにしつついいわけしてて、「あ、こいつ死んでるんだっけ」と思いだし逆にもうしわけなくなったというもの。

夢の中でもあいつらしいなあと思った。あやまらないけど強気にはでない感じね。

あの世ならアル中になる心配も少ないと思うから心置きなく飲んでてくれ。

 

おひさしブリーフ(今年イチオシのギャグ)。

さて、ちょっとばかり早めではあるけど、2011年をまとめようかと。

こんな腐れた年はさっさと終わるにかぎるだろ。

世間的にも自分的にも「地震」がものすごく大きい。

それに付随するもろもろで精神状態がずっと震えてるよう。実に今もそう。

そうなるとニンゲンどうなるか?そういう意味じゃ非常に興味深い1年だった。

おれの場合、「思い残しをなくそう」と考えたみたいよ。

最初は、「経済を活性化するために募金よりほしいものを買おう」みたいな名目で大滝詠一氏のボックスを買ったりした。

同時に「アロングバケーション」の30年記念盤を。あと、ナイアガラトライアングルvol.2にイーチタイムを買えば大滝詠一氏に思い残すものはない。

こういう考えで「揃える」欲が旺盛だった。

おれは知らなかったんだけど、2000円前後で3~5枚組のオリジナルアルバムが入った廉価ボックスみたいなものがけっこうな数出回っていて、それに惑わされたのも今年。

夏くらいから、レス・バクスター、エルヴィス・プレスリー、ホリーズ、ポーグス、ランディ・ニューマンなど。

これらはすごくいいです。このボックス1セット買って「まあOK」と思いますしね。ポーグスなんかはオリジナルアルバムが5枚だからこれでコンプリート。

まだまだ欲しいアイテムはあるし、ほかもどんどん出て欲しい。

そしてビートルズ。

CDがではじめて、いろいろな過去の名作がどんどんCD化され、「ビートルズはいつCD。化される?」みたいなことがニュースになったし、いざ、CD化されたときは毎月大騒ぎ。「レコードコレクターズ」という雑誌では毎月アルバムが出るたびに特集を組んでましたよね。毎月1枚くらいのイキオイで。大学の生協の売店にも各タイトル5枚くらいおいてました。

そしてすべて出きったあとにボックスが発売されました。

ビートルズ旧国内盤CDのライナーノウツ:DAYS OF MUSIC & MOVIES:So-netブログ <http://parlophone.blog.so-net.ne.jp/2009-07-05>

16枚組で税抜価格36,500円、税込定価37,595円

ダンボールの箱にはいっており、観音開きのボックスにはCDが並んでいた。

これを20代のときにみていたおれは「いつかこれを大人買いするようなくらいは稼ぐことができるといいな」とは思った。

同時に、20代のときは、ビートルズのCDはおれが死ぬまで発売され続ける。もしかしたらそれはCDじゃなくなるかもしれないけど、発売され続けることはまちがいがないからあわてなくてもいいや、後回しと思っていた。

そして今年。

ザ・ビートルズ¥ 13,000
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1万3000円でおれはこのセットを手に入れることができました。

輸入盤なので日本語訳やライナーノーツなどもなしです。でも、ビートルズのCDの最新リマスタリングの新品が1枚1000円以下で手に入りました。

「ゲオ」で3年前くらい、余剰で余剰で死にかかってる腐れた中古CDを捨てるような価格で売り捨ててたことがある。全CDは1480円で、値札が1480円以下のものは980円。980円以下のものは580円、それ以下は100円。

今から思えばこれが明確な「終わりのはじまり」だったのです。このタイミング以降、CDの価格の大雪崩がはじまってます。まだ最中です。今や、中古で下手なものを買うくらいならCDWOWやAmazonで新品を買ったほうがよほど安いです。

そのときでもビートルズは980円でした。当時、2009年のリマスターが出る出ないってタイミングで、どうしようか悩んだ末にスルーした。それよりボックスは安くあがった。

今も昔もビートルズは別格だし王様。ビートルズなら金に糸目をつけないヒトは世界中にたくさんいる。どうあっても売れるはずのビートルズのボックスが13000円になったなと。

この事実にしびれる。そしてCD終了の大雪崩のクライマックスがこれだなと。

実にまだ聞いてもいません。「ビートルズは完了」と思っただけで。

これって、つまり、オッサンになって、百科事典を書斎の本棚に揃えるのと同じ感覚だなと思った。

唾棄すべき行為と思ってたけど、やってみてわかったよ。案外と悪くないって。これにしたって、実は地震とかカンケイなくてじわじわとそうなってきてたんだよ。そういうことにも気がついた。今年買ったCDで何枚ファーストアルバムがある? 好きなアーティストの別バンドじゃなくてはじめて音を聞くって意味でのファーストアルバム。おれは実に1枚もないかもしれない。

こうやって、不安や「すべきこと」をひとつひとつ潰していくことによって得られる「安心」。これで空いてしまった何かの代わりに埋め合わせていたような1年。

そう、つまり、あんまりロッケンロールな年じゃなかったなと。

(そんな気持ちのときに1番金を使ってるファン歴の長いバンド・ムーンライダーズの無期限活動停止が発表されるし)

来年はカワイイ女の子とイチャイチャするようなロッケンロールな年にしたいなと思ったよ。

そうジョンとヨーコのようにね!(あんまり上手くないオチ)

PS.アイラブユー、じゃなくて、MONOボックスも買った。こっちは1万1000円の中古で。すげえ汚い中古でした。これは失敗。でも、新品でも13000円くらいだからね。完全限定生産だったはずなのに。

紙ジャケでも、デジパックでも、要するに表面が紙ジャケットのものは、たいていビニールの袋に入ってる。

それをとじるノリの部分にジャケットの表面がくっついたときの絶望感。

もう、このジャケットはアウト。

どんな丁寧に剥がそうとしても、ノリのところにジャケットの表面がくっついていく。

CDのオビなんかも大事にととっておくタイプとしてはこれでもうかなりやる気がなくなってしまう。

だから、紙ジャケやデジパックはキライなんだ。たぶん、このベリベリの被害にあったCDは10枚や20枚じゃきかないぞ。

 

ところで。

いまさら聞けない!? CDケース本当の開け方! - [オーディオ・ビジュアル] All About
http://allabout.co.jp/gm/gc/51141/

続・今さら聞けない! CD「本当」の取り出し方! - [オーディオ・ビジュアル] All About
http://allabout.co.jp/gm/gc/51142/2/

 

CDさわってそろそろ30年になろうというのに初めて知った。

ちなみに和田アキ子さんはCDのケースを毎回たたき割って開けていたそうです。「包み紙」みたいな感覚だったそうで。

きみのために運をつかいはたそう

願いごとをひとつだけ叶えよう

バイクの枯れた煙を残して

駅の前の坂を左に曲がる

星がぐるぐるまわるヘルメットの上

あたりは真っ暗なのにきみに近づいている

すべてはAll Right これ以上はない

世界のどこを探してもこんなに眺めのいいところはない

恋のために運をつかいはたそう

本を探し運をつかいはたそう

寒い夜に運をつかいはたそう

きみのために運をつかいはたそう

土手の上で豪勢に一服つけて

サイケな虫たちの声を背中で聞こう

ところできみはUFOを見たことがあるかい?

それよりぼくはなんだか起き上がれない

すべてはAll Right これ以上はない

世界のどこを探してもこんなに気持ちのいいことはない

きみのために運をつかいはたそう

猫のために運をつかいはたそう

恋のために運をつかいはたそう

寒い夜に運をつかいはたそう

きみのために運をつかいはたそう

願いごとをひとつだけ叶えよう

きみのために運をつかいはたそう

「きみのために運をつかいはたそう」直枝政広作詞

LOVE SCULPTURE(Deluxe Edition)/CARNATION

 


 

奥さんは2010年3月15日に死んだ。
乳がんから肺に転移して死んだ。
22でつきあいはじめて42で死んだ。
この20年で歌のようにおれはすっかり運を使い果たした。
奥さんをみつけた運、つきあってもらった運、カンケイが続いた運、結婚してもらった運、結婚が続いた運。そのあと乳がんになってからはさらに大量の運を使った気がする。
それらに具体的な努力をした記憶があまりないので、運だったんだろう。
そしてそれに見合ったくらいの運が必要だったと思う。
そうじゃないと、おれが誰かとつきあって結婚してそれが20年続くなんてありえない。
んまあ、とてもラッキーだったよ。夢の中みたかったよ。

そして、1年経ってすっかり運を使い果たしたと思いしる。補充されている気配はない。
そして、次のテーマソングを探さなきゃとぼんやり思っている。
そんな今。

 

「きみのために運をつかいはたそう」は、2000年発売のカーネーションの5人編成最後のアルバム「LOVE SCULPTURE」のボツ曲。2009年に発売された2枚組のデラックス・エディションにおいて陽の目をみている。
そしてそれをきいたのは実は2011年だったりする。ついさっきです。
でも、それを聞いたとき「あ、おれの20年ってコレだった」と思ったわけよ。
ま、だから、この先の20年も、20年経ったくらいに「あ、コレだ」ってのがみつかるような気がするわbleah

 



 
 

300.jpg

1. アー・ユー・レディ?
2. ボーン・アゲイン
3. アメリカ
4. 人生と呼ばれしもの
5. ビューティチューズ
6. グッド・ラヴィン
7. ハウ・ディープ・イズ・ユア・マン?
8. 彼女の音楽
9. ロイヤル・ハイネス
10. グローリー
11. ライフ・キャン・ビー・ソー・ビューティフル
12. 俺の魂に安らぎを
13. サード・アイ (日本盤のみのボーナス・トラック)

 


 

ARE YOU READY?
YES,I'M READY


元ザヴァーブのリチャードアシュクロフトのソロユニットは「準備できたか?おれはできたぜ」と1曲目からおれを煽り立てている。

多分にカンチガイしていたのだけど、聞いたつもりでいたザヴァーブはまったく知らなかった。
だからして、彼の作品に触れるのはほぼはじめてです。かなりなキャリアの方であることはライナーノーツ読んでもわかった。

そしてそんなことはどうでもいいのです。

「アー・ユー・レディ?」からはじまり、生まれ変われと2曲目「ボーンアゲイン」でいい、アメリカもロンドンも東京もいっしょなんだよみんな苦しんで楽しんで同じ音楽をきいていると歌う「アメリカ」、そして「人生と呼ばれしもの」と、たたみかけるように4曲。

後半も「グローリー」だの「ライフ・キャン・ビー・ソー・ビューティフル」といった曲が並ぶ。

非常にアッパーだと思った。そして、ブラックミュージックの影響が濃い。ヒップホップ、R&B、ゴスペルミュージックなど。ファットでゴージャスな音像だ。そうでありながらも芯はブリティッシュミュージックという、えらくブレのない真っ直ぐな作品。

こういう題材の曲を歌うためのブラックよりなのか、ブラックよりになったために生まれた曲なのか、本人にたずねたいところだが、結果としておれの手元には本作がある。それだけでいいかなと。

ともすれば、そういうのはノるかソるかきびしい。おれにももちろんだけど、世間的にも。「自己啓発」のウサン臭さというべきか。
でも、本作品のド真ん中をド直球で突き抜ける感じは、確実に聞いたあとになにかを残していく。陳腐なコトバでいうならばそれは「感動」。

聞くと効く。おれのイメージとしてはコンビニで買った栄養ドリンクを飲むといったもので、わりにそのままの意味で即効性のある元気になる音楽であると思う。しかも、広い大きい意味でのラブソングばかりなのがいいですね。

長く「効く」音楽。

LET'S DO THIS THING CALLED LIFE, LET'S TRY, LET'S TRY
(この人生ってやつをやってみよう。さあ、さあ)


 


秋といえば?で連想される様々なモノやコトを並べてみました。シンプルですねえ。

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秋といえば物悲しい

1.秋になっちゃった/クレイジーケンバンド

秋になると、物悲しくなりますよね。秋の歌をさがすとそんな歌ばかりです。
過ぎ去った夏を恋しくなる時期なんでしょうか。そういった意味で「秋になっちゃった」というのは実に素晴らしいタイトルですね。秋は「なっちゃう」ものなんですよ。
まだ、夏をココロにもって踏ん張っていこうと歌うアグレッシブな若さを感じます。まだ9月あたりはそんな夏をひきずっている感じはありますよね。
アルバム「GALAXY」収録。

YouTube - クレイジーケンバンド / 秋になっちゃった
http://www.youtube.com/watch?v=1K0hUPKX-bY



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秋といえば運動会

2.Tug Of War / Paul McCartney

最近はなぜか9月の早い段階に運動会が行われます。祝日である体育の日になるころには、学校も、地区も、会社も、運動会はみんな終わっています。
ということで、アルバムタイトルでもある、1982年のポール・マッカートニーのナンバー、日本語だと「綱引き」ですね。東西の冷たい戦争なんてことを歌ったそうですが。
このアルバムから、ビートルズではなく、ポール・マッカートニーとして知り、興味が出て、なおかつ、MTVなどでみはじめたりしたので記憶に深く刻まれております。
スティービー・ワンダーとの共作で本アルバムの最後に収録されている「エボニーアイボリー」なんかはダイレクトに「いい曲だな」と思った洋楽の最初期です。

YouTube - Paul McCartney - Tug Of War - 1982
http://www.youtube.com/watch?v=1K0hUPKX-bY




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秋といえば食欲

3.あきのくりづくしメニュー / 千日前ちあき&ちなつ ウゴウゴルーガ

伝説の子供番組「ウゴウゴルーガ」のテーマソングに使われていました。千秋氏はこの番組が実質のデビュー作で、歌も歌ってたし、
千日前ちあき&ちなつとして、フジテレビアナウンサーの大坪千夏氏と漫才みたいなこともされていたし、番組内アニメ「ノンタンといっしょ」ではノンタンの声も担当されてました。大活躍です。
かの近田春夫氏作曲で、ド黒いファンクな曲に秋の美味しい物を歌うという当時の番組のアナーキーさを垣間見ることのできる1曲ですね。秋は食べ物美味しいですよね。

YouTube - あきのくりづくしメニュー 千日前ちあき&ちなつ ウゴウゴルーガ
http://www.youtube.com/watch?v=_hklHkbLKKg

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秋といえばハロウィン

4.
This Is Halloween /MARILYN MANSON

最近は日本でもポピュラーな秋のイベントになってきましたね。10月の終わりくらいに行われます。
そいでもって、なにげに日本でのハロウィンの代名詞ってくらい同じくらい人気になってきつつあるティムバートン監督が作ったアニメ映画「ナイトメアー・ビフォア
クリスマス」のサントラ2枚組のおまけの2枚目に収録されているカバーになっているのですね。
まだ、日本でハロウィンの歌はあまりないってのがさがすとわかりますね。Tightsの「ハロウィン」が1番でしょうか。それはちょっと動画になかったので今回は涙を飲んでもらうことにしました。名曲なんですよ。
今後、人気や知名度でも抜きん出た1曲があるとまた日本でのハロウィン定着にひと役買うんでしょうね。AKBとかやればいいのに。って、最近はそういうアカラサマな季節にひっかけたヒットソングは「さくら」の歌以外ににないですね。

YouTube - MARILYN MANSON :: This Is Halloween
http://www.youtube.com/watch?v=jU6iP0WLsU8




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秋といえば学園祭

5.
祭りの準備 / ガガガSP

学園祭は11月3日の前後に行われますね。個人的にまったくいい思い出はないんですが、学園祭の準備でどんどん同級生の女の子が好きになり、学園祭はいつまでもはじまらなくて一生準備で終わればいいのにという歌は画期的に胸にしみますね。ガガガSPは中学生高校生の男の純情を歌わせると、銀杏BOYZとタメはれるくらいいいものを作ります。銀杏BOYZより純情で奥手でしょうかね。

YouTube - ガガガSP 祭りの準備
http://www.youtube.com/watch?v=E0Nf_lSZ3vk




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秋といえば読書

6.
Everyday I Write the Book / Elvis Costello

なんで「読書の秋」なのかもうひとつわかりませんけど、読書の秋ってことになってますよね。

参照:「食欲の秋」「スポーツの秋」「読書の秋」など、なんであれこれ「秋」にくっつけているのですか?

なかなか諸説あるようですね。本を読むヒトは夏は汗を流しながらでも、冬は鼻水を流しながらでもページをめくっているんでしょうけどね。初心者にはそこまでしなくても快適に読むことができるのが秋なんじゃないかってね。

第一章 僕たちが出会う前のこと
第二章 どうやら君に恋してしまったと気付く
第三章の真ん中あたりで君は僕のそばにいるっていってくれたのに
第四章、五章、六章と君に振り回されっぱなし
いつも君を憧れのまなざしで眺めているそして毎日本を書いているのです
音楽と人生に関する一考察 Elvis Costello / Everyday I Write the Book
君のために毎日本を書いている男です。この恋は実ったのでしょうかね。
このアルバムで最初にエルビス・コステロに出会い、最初に好きになった曲がこれでしたねえ。いくつかある幸運の出会いというやつです。ほかのアルバムだとコステロを好きになることはなかった可能性が高いですよ。

YouTube - Elvis Costello 1983 Everyday I Write the Book
http://www.youtube.com/watch?v=jfFunjzyIsE




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秋といえばスポーツ

7.
Sports Men/Haruomi Hosono

スポーツの秋ですね。読書とスポーツと真逆ですけど、この曲の歌詞もそれとは真逆ですね。
ひ弱なぼくは君をしっかり抱きとめることもできないけど、いつか立派なスポーツマンになるよってね。
みなさまもがんばってスポーツにいそしんでください。わたしは犬の散歩くらいしかしてませんけどね。

細野晴臣氏がYMO人気で作ってもらったみたいなYENレーベル。そこからの第一弾アルバムですね。YENレーベルはかなり「おれ」を形成してる重要な土台ですからしてこの曲も相当大事です。こういうひねくれた歌でできてるからおれはステキな性格になったんだろうなという自覚症状があります。うへへ。

YouTube - Haruomi Hosono - Sports Men(LIVE,1982)
http://www.youtube.com/watch?v=zCqC785TNco&feature=related



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秋といえば芸術

8.
Art For Art's Sake/10 CC

「**の秋」シリーズ、最後は「芸術」ですね。
邦題「芸術こそ我が生命」ですよ。まあ、歌詞はまったくそんなことないんですけどね。しかも、この曲、今も世界のどこかでCMソングになってるかもしれない「アイムノットインラブ」の次にだした曲だそうです。もちろんのようにこんな変態的な曲はコケたそうですが。
なるほど、「秋」ということで、いろいろとこじつけて選曲したら、おれのひねくれた音楽人生があぶり出しになったことがわかってくるのですね。
「びっくり電話」に収録です。なんでまた「びっくり電話」なんて邦題にしたのでしょうかってそれはあんなひねくれたおれおれ詐欺みたいなジャケットを作った彼らが悪いのですね。
このあと10ccの悪趣味なほうゴドレー&クレームは脱退してさらに根性の曲がった作品を作り、残ったメンバーで10ccはステキバンドなほうにむかっていくのですね。そういう流れも芸術的です。芸術にエログロは必要ですからね。あ、そうそう。10ccのバンドの由来って、1回の射精量らしいし。

YouTube - ART FOR ART'S SAKE ....10 CC ....
http://www.youtube.com/watch?v=I3Cy21tDsRc&feature=player_embedded#!




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秋といえば月見

9.大滝詠一/名月赤坂マンション

秋は月もみますね。中秋の名月ってね。秋の月はキレイですけど、そこになにか「悲しい」を引き出そうとするのが日本人の特性なんでしょうかね。
これが収録されたアルバム「ナイアガラカレンダー」はそのタイトルの通り1月から12月までの曲が順にならんでおり、こういう季節ネタのプレイリストを作るときにうってつけですし、その中にあって屈指の名曲が本作だと思います。以前、鈴木慶一氏がこの曲を「屈指の名曲」と称したときはヤングだったのでわからなかったのですが、今、しみじみとこの曲のよさがしみてきます。
このアルバム自体、自身のレーベルの背水の陣の覚悟で発売された渾身の作であったし、氏の会社「ザ・ナイアガラエンタープライズ」が実質つぶれたときの心境を歌ったものらしいです。

YouTube - 大滝詠一 名月赤坂マンション 81年 Remix
http://www.youtube.com/watch?v=cLd7_ju39TE



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秋といえば収穫祭

10.Harvest Festival / XTC

海外では感謝祭、アメリカはサンクスビギン、イギリスはハーベストフェスティバルなんて、1年の農作物の豊作を神に感謝するなんてのがあります。日本も全体的なものではないですが豊穣祭なんてのは各地で独自にありますね。
中秋の名月をめでるように、ハーベストムーンというのがあり、それに合わせてこのハーベストフェスティバルも開催されるようです。
(参照:イギリスのハーベストフェスティバル(収穫祭)

そんなお祭りの中、ステキな彼女をずっと眺めていたというまた物悲しい歌ですがね。
XTCは本作とその連作的存在の「WASP STAR」をだしたのち、ほぼ活動停止状態です。それもまた悲しい話です。
前曲の大滝詠一氏といい、XTCといい、寡作というか、ほぼ沈黙を守ってる方の曲が似合うってのも今の季節なのかもしれないですね。これから季節はより厳しい冬に向かいます。その前にクリスマスがありますけどね。

YouTube - XTC Harvest Festival
http://www.youtube.com/watch?v=FsY40w6mfKE




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秋といえば海

11.ダイナマイトとクールガイ/ムーンライダース

秋に海にいくのはなぜなんでしょうかね。そして悲しい気持ちを背負って帰ってくる。あるいは思い出を置いていくのでしょうか。
そんな中、極めつけの悲しい秋の海の歌だと思います。やっぱり秋はおセンチになる季節ってことですかね。
「愛の果て」がみえた海ですね。おれにもみえそうな気がしますよ。

収録しているアルバム「AOR」自体はすっきりしすぎていて、ムーンライダーズのアルバムの好きな順番に並べていくと最後のほうになりそうなんですけど、大好きな曲が多いという矛盾したアルバムでもあります。
工事現場の派遣のバイトをしていた帰りに埼玉の駅前のCD屋で無造作に買ったのを覚えてます。

YouTube - MOONRIDERS-ダイナマイトとクールガイ
http://www.youtube.com/watch?v=RLBSBYCFPCI&NR=1







 ネットサーフィンをしていたところ、ふと、「TACO」という名前を目にした。

 [山崎春美とは - はてなキーワード] こういうヒトね。

 そういえば、彼のTACOというCDは聞きたかったなと、ふと、検索してみたらYouTubeに音源がある。そしてあるからには聞いてみる。

YouTube - な・い・し・ょのエンペラーマジック (Audio Only)
 http://www.youtube.com/watch?v=eSwgRj6aOJk&feature=related

 うーむなるほどこういうのか。

 そして、関連の音源をいくつかきく。感想は前記どおり。 とくにCDで手に入れてほしいとは思わない。今、ドえらいプレミアがついてますし。

 10代を振り返る。週に1度のラジオ。月に1度の雑誌。これらを手がかりに、レコード屋で1時間悩んで1枚買う。
 これら一定の儀式は、すごく博打の要素が強く、不確実性の世界だった。 たまに大当たり、たまに大外れ。そして多くは「まあまあ」だったり。「はてな?」だったり。

 この博打がなくなった。
 YouTubeみて気に入ったらAmazonだったりiTUneで買えばいいんだからね。Amazonにしても試聴し放題だし。

 CD屋であっても、「これってどうだろう?」と思ったCDジャケットをiPhoneで撮影してAmazonのアプリで検索すれば、そのページが出てきて、なおかつ、レビューを読むことができるのでだいたいの評価がわかる。
ベンリだ。ベンリと引換にいろいろ失ったものがあるとは思うがベンリだ。

ネットで音楽を検索できるのって、これまでの「受け」一辺倒のモノから、攻めることもできるのがいいよね。
YouTubeみて気に入る。アーティストを検索したり、関連の音源やPVもみる。そして、気に入ったものを決める。
これまで、この「攻め」をやろうとしたらずいぶんカネがかかったんだよな。関連書籍、関連CD、関連ビデオとかな。それらがネット上でできる。無料でできる。

 それによって新たに「これを買おう」と思うCDもできたし、長年探し求めていた、「これってどういう曲?」ってのがわかるようになったりもした。

 ただ、その何千倍も、上記のように「まあ、これは買わなくていいか」ができたわけだ。
雑誌の甘言や、CD屋のポップなどにココロを揺さぶられる心配はない。そのものズバリを聞いて「好きかキライか」を判断できるようになったし。
 
でも、雑誌の甘言や、CD屋のポップに騙されるのは悪いことばかりではないんだよね。さっきから「どっちだよ?」ってことを書いてるけどさ。

 そういう思いきって買うようになると「カン」が身につくし、耳も肥えるし、目も肥える。経験値の上がり方がハンパないからね。これはトライ&エラーを繰り返し、なおかつ金を使わないと ダメね。

 ラジオから流れこんでくる
「これってどういう曲?」がわかった実例。

 YouTube - 終曲 Phew 坂本龍一   1980
 http://www.youtube.com/watch?v=wTF4X77d8sM


 偶然、さっきリンクしたのも坂本龍一氏のものですが。 大昔、ラジオでYMO特集のときにやった曲のひとつです。カセットに録音して何度も何度もきいたけど、曲目をアナウンスしたところがちょうどA面とB面のチェンジタイムに隠れてわからなかった。 その曲が30年ぶりにわかった。

 ただ、30年ぶりにわかって、ほしいと思った「終曲」は売ってなかったりする。 そこいらが惜しい。
 常々思うのだけど、おれがCDをバカスカ買うようになったのは、過去の名盤がCD化されたからで、 たとえば、ビーチボーイズの「ペットサウンズ」。え?と思われるかもしれないけど、レコードではついぞみかけたことがなかった。当時のCBSソニーの盤があるだけマシって世界だった。あちこちですごく探し回っていたけどなかった。 だから、CDでの発売日はすごく楽しみにしていたし、買った場所も、買った日のことも覚えている。 12月だよ。そいで西新宿のヨドバシカメラの今もあるのかな?地味な建物の2階に登っていくへんなCD屋で買った。

 今と、昔の、希少の意味がずれてきてはいるけど、そういうことで、リイシューCDブームで、過去の名盤に多数触れることができた。
それは、現在のダウンロード販売でも同じであろうし、実際、アメリカのamazonでも在庫のない音源をiTuneで買ったりもしてる。 でも、まだ足りないし、そこにすごく可能性を感じている。

昨今、CDが売れないとか、CD屋がつぶれるなどのニュースをみかける。
考えてみれば、CDが売れないのはCDを買わなくなったヒトがいるからで、昔も今もいる、ソフトをなるべく安くすまそうという層よりも、前は一生懸命買っていたけど、今はそうでもなくなったって方々が意外にバカにならんのではないか?
それは、単純にCD自体を聞かなくなったとか、金がなくなったというのもあるけど、上記のように、雑誌やラジオできいたのを思う存分きいて「どういうものか」というのがわかり、なおかつそれでも買おうと思わせるものが少なくなったという理由もあるのではないかと思う。
ま、おれを筆頭に。

ただ、音楽に含まれているマジックはまだ「今」のところ「おれ」には有効。それは素直にうれしい。





・新しい朝ってえのは、何回か経験あるねえ。この歌のとおりだと、恋人との新しい朝ってえ感じになるけどよ、おれの場合、そっちの方はなし崩しのぐでぐで の二日酔い明けなんで、そう思い出すようなこともない。というか忘れたいことのほうが多い。
・で、思い出深い「新しい朝」というと、サラリーマン辞めたときだなあ。

・バイトでも部活でも、辞めるということを告げるのはイヤだ。多分、常人の10倍くらいイヤ。あるいはもっと。気軽に辞めることができるヤツがいるけど、 そういうやつの心境が理解できない。ましてや、新卒で入ったまがりなりにも初めての正社員にしてくれたところを辞めるなんて、それを考えただけで、胃が痛 くなった。

・この、胃が痛くなるということが重要で、胃痛というものを初めて味わったのが会社に入ってからだ。

・思えば、辞めた後の送別会で、「すごいいい人でした」といわれたことに原因がある。実際、会社でのおれは「すごいいい人」だった。そしてそれは、多大な る負担であった。

・内勤ということは、どういうことかというと、常に周囲の人間関係に気を配っていなければならないということで、それは、おれの「気」を大量に擦り減らす ことになった。八方美人にならず、かつ、周りに押し流され過ぎないように、そして、自分の位置を絶えず測りつつ、当たり障りなく過ごす。簡単にいうと世渡 りの上手さというものを要求される。そりゃあ胃も痛くなるってもんだ。ま、これがおれの希望どおり外回りならどうだったのかなあと、今でも考えることはあ る。たぶん、同じだったろうけど。

・結局、部長が酒に誘ってくれたとき、酒の力に後押ししてもらって切り出した。この日のために考えていた、テキトーないいわけを添えて。

・希望どおり辞めることができたのは、それから半年後だ。送別会やらなんやらでいろいろとイベントをこなし、実質、会社と縁が完全に切れるとき、「新しい 朝」は訪れた。

・おれの直属の上司で、結婚退職のため辞めていった女性は、しばらく後の飲み会で、「辞めた後ってスゴイ気分いいよ」などといっていたが、それは、確かに そうとしかいいようのない朝であった。

・ああ、新しい朝がはじまった。今後のこと(その時点でおれの進路は決まっていなかった)考えると、いろいろと不安もあったが、とりあえず、この解放され た感覚は、かつて、一人暮らしをはじめたときにも勝るものがあった。

・そして、ここからは、会社を辞めた後のハウツーだ。

・まず、最初に行くところは職業安定所だな。ここで、テメエで辞めたやつに失業保険が降りるのは3ヶ月後という事実を思い知らされる。だから、(生活 費)3ヶ月分のカネは貯金しておいたほうがいいねえ。おれの働いていたトコロはヘッポコ商社だったし、退職金って出なかったのよ。
・あと、追い打ち攻撃として、その年の税金を次の年に取られる攻撃がくる。これが実に痛い。痛かった。んでも、役所に金払いにいったら、「ああ、いくらか 戻りますよ」なんてことをいわれる。働いていない時期かなんかだろうな。よくわからんかったし、税務署いったり、いろいろタライ回しさせられて、けっこう 不愉快だった覚えがある。
・そうならないためにも、アルバイトなんかのてめえの働いた分の領収書は持っておこう。さもなくば、親の仕送りで食っていたというといいんだよな(←これ がイチバンいい手だよ。どうして後になって思いつくかね)。はあ、マメにバイトするんじゃなかったと思ったよ。まあ、金なかったし仕方ねえんだけどさ。
・それで、晴れて別の職業が決まったら、お祝い金(そんな名前ではない)が職業安定所で出るんで、忘れずにもらおう。これは大きいぞ。
・上記の事柄も含め、なにかとメンドーなことが増えるんで、役所には頻繁にいくハメになるな。
・この件の書類とハンコはまとめて、いっしょの袋かなんかにいれることをオススメしておこう。
・浅草が好きで、よくいったし、イナカのほうから尋ねてくる人がいれば、案内する定番の場所として重宝した。
・当時住んでいた市川からバスで1本で行けると いう点も気に入って、よく、仲見世通りを流したり、浅草寺でお参りしたり、人に合わせて花やしきや場外馬券場に行ったりした。
・そして、水上バスで浜松町ま で行って締めくくりというのがパターンだ。けっこう、無難で、みんなそれなりによろこんでくれる。

・だもんで、デートコースにここを選んだおれは間違っていないんだ。国際通りのスマートボール場で、盛り上がらないスマートボールを30分以上やり続けて シラけたことなんて夢なんだ(なかなか玉が減らないんだよ)。
・国際通りには、「ROX」というファッションビルがある。ここの本屋がなかなかシブイところでさ、ムーンドッグのCDなんか置いてあったりする。本もけっこ う独自のセンス、そして広々としており、お気に入りの場所だ。浅草にはそぐわない雰囲気のここで、スマートボールでのマイナスポイントを奪回しようとする おれの心意気を汲んでほしいところだ。

・エスカレーターで順々に登り、おれにとってはあくびが出るくらいどうでもいいところを延々金魚のフンしてついていく。そして、とある雑貨屋に辿り着く。

・これは、女性の方、よく覚えておくといいんだけど、ああいう雑貨屋でオトコが興味深そうにみているのってすべてポーズだかんね。どうして、こんなガラク タ面白いんだろうと思いながら、無理して眺めているんだよ。おれだけかもしれないけど。女性が10分かけてみるべきところをオトコは3秒で見終えることが できるんだよ。まあ、逆のこと もあるけど。

・そんで、どうでもいいところを眺めているうちに、ハタと思い立つ。
「あさって彼女の誕生日じゃねえか」
・おお、エライことをエライ場所で思い出した。そうなると、この場所はなかなかいいんじゃねえか。と、すぐにペアのカップセットに目がいく。ピーターラ ビットのティーカップセットだ。おお、これだ!これしかない。なぜかそう思い込んだら、それ以外のものはなにもみえなくなってしまった。猪突猛進だ申年生 まれだ。

・そして、今度はタイミングが大問題だ。あからさまに買って、ハイ、ってのはいかにもとってつけたようでイヤだし、いかにもキザだ。おれはそんなことでき ないっすよ。

・と、ひとり悩んでいるうちに、彼女は飽きてきたみたいだ。むー、とりあえずってことで、保留。
・そのままエスカレータで上へ。お、うまい具合に喫茶店が!
・ここで、お茶を飲むふりをして、ちょっとトイレとかいってなにげに買ってきて渡すんだ。これしかない。この方法しかない。
・喫茶店に入り、オーダー もそこそこに、「ちょっとトイレ」とばかりに店を出て(こういうビルのトイレは通常、店内になく、階段そばのフロアにある)、ダッシュで階段を降りて、さ きほどの雑貨屋に入り、「これください!」とばかりに店員にいそいでつかみ寄る。まあ、ウンコだと思われてもよいが、なるべく待たせたくないと思う心だ。

「贈り物ですか?」

・アタリマエだろ!おれが自分で使うように見えるか!と胸ぐらをつかんでやりたい気持ちをおさえつつ「はい」。

「ラッピングしますか?」

・アタリマエだろ!贈り物ってことはそういうことだろ。じゃあなにかい?おめえは、ハダカでティーカップセットもらってうれしいのか?

・と、いうハヤるおれの気持ちを一向に理解しないのほほ?んとした店員のおかげで、ずいぶん時間が経ってしまった。

・もう完全にウンコだと思われている。と、今になって思えば、プレゼント持ってやってこれば、ああ、プレゼント買ってきてくれたのねって思ってくれるんだ よな。当時は、もう、小学生が学校でウンコしているときくらい、気まずくて緊張していてあわてて いたんだよ。

・やっとのことで包み終わり、階段を駆け上がり、彼女にゼンゼンスマートじゃないながらも渡すことができた。それが今の奥さんであったりする。

・後日、「あのティーカップセットどうした?」と聞くと、
「ああ、次の日に一組割っちゃったあ」
だってさ。
2000年から2009年までの10年、なにが変わったって音楽関連でいえば、おれのリスニング環境の変化が大きい。

たぶんに、音楽をとりまく環境は、おれのみならず全世界的に変化があったとは思う。かつてないほどの選択肢 があり、そのどれが正解なのかわからない未曾有の事態になっている。
それぞれがいろいろな手段で音楽に接しているし、それぞれに変遷があっ た10年だと思う。それは、25年ほど前のCDが大ブレークしたときに匹敵するか凌駕するほどではないか。あのときは方向性が「CDへの買い替え」と割合 と単一的だったから。

新しく入ったものはベンリではあるけど、どこか混乱を残し、落ち着きの無いまま過ぎていった10年の気がする。

10 年前、

自室で爆音できいていた→家人にうるさいといわれた→自室でヘッドホンできいていた→家人に部屋にばかりいるといわれた→クル マで移動中、爆音できくようになった →家人が犬を飼うことを決める→クルマ移動が減る→散歩係を命ぜられる→iPodを買う→

現在に至る。

と いうことで、CDを手に入れるととりあえずiTuneにインポートするし、これまで持っていたCDも4年くらいかけてほぼインポートした。
その結果 が、500GBにも満たないというのはなんだかおもしろいようなムダだったような不思議な気分である。おれのこれまでの音楽ライフは500GBに収まる んだって。

images.jpgA Summer Tamarind
Martin Newell

「散歩でリスニング」は実におれの環境では1番、音楽に真摯に向かい合える状況だったのだ。

なるべくヒトもクルマも犬もいないあぜ 道えらび、犬とともにガシガシと昼となく夜となく歩く。イヤホンから流れる音に集中し、たいして代わり映えないあぜ道の風景を、それでも、四季の移ろいを感じな がら歩くのは悪くない。そう、悪くなかったんだ。

そして、たぶん、その散歩に1番「マッチ」してたのは本作だ。

2007 年発表。イギリスの詩人・マーティンニューウェルの作品。
もとクリーナーズ・フロム・ヴィーナスで、ソロデビュー作はXTCのアンディパート リッジのプロデュースによる傑作。

本作は地元の音楽仲間とその家のスタジオでゆったりとした雰囲気の中、ざらりとした録音された。
 「渋」 なんてアリキタリなところにとどまることなくポップでロックなまま、なおかつ、落ち着いた雰囲気も漂わせている。
本作からは、なぜだろう、すごく若々しさを感じ る。シンプルな編成でオーソドックスなバンドサウンドや楽曲からは、青臭いロックを感じる。

「田園ロック」ってプログレのコンピがあるけ ど、それとは別のベクトルで、このタイトルがピッタリと思う。
それは「牧歌的」という単純なくくりではなく、富山の田んぼのあぜ道に異常なくらいハマった。 1番シックリくるのは「シンクロニシティ」というコトバか。たぶん、氏が住んでいる田舎の度合いが似てるのか、空気が同じなのか。どこか同期しているよう な感覚。

最初、そのハマリ具合に衝撃を受けて、夕暮れのあぜ道を犬が心配するくらい、3曲分くらい棒立ちで聞いていた。

ただ、その散歩リスニングがなかったらここまでよくは感じなかったろうなとも。あぜ道のにおいや風景がよりシンクロ率を高めたことはまちがいがない。

そうじゃなくてもいいアルバム。ただし「新」という単語にはあまり無縁。「新鮮」「斬新」「新規」「新境地」など。

環境によって評 価ってのは移り変わるもので、たとえば、ここ10年でとみに多くなったデジタルリマスターでの復刻なども、音がクリアになったために、延々と聞いてたアル バムの印象がガラリと変わり、なんとも思ってなかった曲がいいなと思ったり、その逆があったりする。
まあ、環境というより感情や心境なの かもしれないけど。そういうあらたな発見も、この散歩での大きな糧だ。

そんな中、このアルバムはおれに1番「合った」ということだね。

この「収穫」は悪くない。散歩はアタリマエ のように続いている。

アルバム自体、万人じゃなく「おれの」ための1枚だけど、犬とiPodと散歩は3つとも強くおすすめしたい。

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tokyo7.jpgTokyo7
moonriders

長 いことファンをやらせてもらってるムーンライダーズである。
本作は2009年の作品。00年代の終りに間に合った大傑作。
1980年代は ニューウエーブ・テクノの波に乗り(実際、この時期、業界では、すべての人がこの波に乗るか乗らないかの決断に迫られたそう)、名作をバンバン発表してい たけど、1990年代はちょっとさえなかった。そもそも90年代の半分近くは活動してなかったしね。
ところが、00年代、つまり21世紀から、ア ルバムを出すごとによくなっていく。どんどんよくなるホッケのタイコ状態になった。「生ける伝説」なんていわれてるし、もともとの期待値のハードルがすご く高いわけでね。それなのにそれを乗り越え傑作をモノにされておられる。

  • Six Musician on Their Way to the Last Exit (2000.12.15)
  • Dire morons TRIBUNE (2001.12.12)
  • P.W Babies Paperback (2005.5.11)
  • MOONOVER the ROSEBUD (2006.10.25)
  • Tokyo7 (2009.09.16)
以上、公式ホームページに載っているオリジナル作品より。

全員が50代で、なお精力的に活動され、これらのアルバム、よくなっているばかりではなく、おそろしいこと にどんどんと若返っていってます。そのピークが2009年の「Tokyo7」だったりするのですよ。20代の音楽のようで、20代には絶対に出せない味わ い。イケイケではないけど、つばには指をかけたまま、いつでも抜ける感じ。殺気ははなってないが必要ならいつでも戦う。すばらしくかっこいいと思う。

そ してなにがうれしいって本作は、「これいいよ」とエクスキューズなく、だれにでもいえるくらいのポピュラリティを内包してると思えるところだ。
ムー ンライダーズの音楽は暗号で、それを読み解くカギを持ってるヒトじゃないとわからないなんてよくいいますが、本作は、そのカギがいらない。すばらしいこと だ。だから大手を振ってこういえる。

これいいよと。

ムー ンライダーズの面々はだいたい10歳年上なので、00年代の彼らの生きざまは、これからはじまるおれの10 年の生きる姿勢に大いに参考になると思う。

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518NX4SZ9PL._SL500_AA300_.jpgおせっかいカレンダー

加藤千晶

音楽雑誌を買わなくなった 10年ともいえる。
最後まで買っていた「ミュージック・マガジン」も未読が8冊たまって気持ち悪くなってスパっと止めた。

そんな でどうやって音楽の情報を仕入れているのかというと2種類。

ひとつ目は、情報なしで買う。いきなりなにいってるんだと思うけど、この10 年で完全にみについた習性のひとつだし、実際にまだつづいている。

2000年からの10年で、これまでの20年弱のCDを完全に凌駕する 量のCDを買っている。ただし、そのほとんどが正規の値段ではない。中古だったり、ワゴンセールだったり。
1枚100円あるいはそれ以下のCDを買うのに、500 円以上の雑誌を読んで情報を仕入れる必要がある?ってことだ。
だから、買う。とにかく買う。嗅覚を働かせちょっとでも気になったら考えるより早く レジに持っていく。

ちなみに、最高にすごい買い物は、「袋に詰め放題で1袋300円」だ。40枚つめてやった。

「そうい う買い物して楽しいの?」という質問は家人になんどもされた。
それには答えられない。なぜなら買ったものをまだきいてないからだ。きいてないと応えられないでしょ?3桁は軽くあ る。
それでもまだ買ってる。病気と思う。 安上がりな病気ではあると思うけど。そしてそう思ってるくらいだから不治の病だろうけど。

音 楽雑誌を買わなくなると困るのは、情報ばかりじゃなくて、音楽を語るコトバだ。これに不自由する。
買ったものは気に入ったり気に入らなかったりは 当然あるけど、それをうまいコトバに当てはめられない。情報をリンクさせられない。
気に入ったものは何度かきく。「ああ楽しかった」で次またかけ る。なぜならまだ聞いてないCDが文字通り山のようにあるからだ。
毎日きいたことのない音楽が耳から流れこむ。そんな10年だった。
それ はそれでいいなとも思うけど、体系立てて語ることができないのが歯がゆいなとは思う。
ただ、まあ、ウンチクを語るために音楽をきいてるでなし。

そして、もうひとつ。音楽の情報源はネットだ。だか ら実質おれの音楽情報源はネットってことなんだけどね。

作家でマンガ家でミュージシャンの久住昌之氏の日記で絶賛されていた本アルバム 「おせっかいカレンダー」を手にしたのはわりと気まぐれだった。

ネットでの「絶賛」は、すごく正直なところ、中古CDを適当に買うのより はマシな程度の精度だ。ハズレをひきたくないなら雑誌を定期購読したほうがまちがいがないね。

ただ、これは大当たり。3億円が当たったく らい。実は、前記の「A Summer Tamarind/Matrtin Newell」もネット情報の大当たりだったりする。こっちのほうはジャック達の一色進氏の掲示板発言より。

2005 年発売。発売してすぐに買い、それからたぶんすべて持っている音源の中でもっとも聞いているはず。

一時的に熱狂した曲は数あれど、2ヶ月 に1度くらい禁断症状のように「聞きたい病」がぶりかえすのは数少ない。そしてそれが現在も続いているのはさらに少ない。それがアルバム単位だったりはま ずない。その数少ない例外中の例外がコレだったりする。

CM 音楽を数多く手がけておられ、NHK教育の「ピタゴラスイッチ」や「おかあさんといっしょ」などの音楽も担当されているので、意外なほど彼女の楽曲は耳に されているはず。

旧2作とはちがいシンセ系電子音などが少なく、アコースティックな響きを中心として、それでいていい意味でヘンテコなアンサンブルをきかせ、どこにもない世界を 作り上げている。
5年きき続け、だれに対しても「これはいいアルバム」と胸を張っていえる自信はついた。

絶対にいいから。

以下、2005年の日記を再録。当時の 熱狂とあまり今も変わってないなとは思った。(時事的なものは当時のものです)

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[Amazon.co.jp:音楽: おせっかいカレンダー]

・ 小学生のとき、ちょっといいなと思っていた子の家に「お呼ばれ」して、応接間に案内される。
・大きなソファにサイドテーブルに洋酒がつまってお り、おおきな脚付きのテレビがおいてある。テーブルの真ん中にはクリスタルの大きな灰皿。
・そんな洋風インテリアな部屋に通されるのははじめて で、出されたカルピスの味もよくわからないほどだ。

・間が持たなくてきょろきょろしてると、応接間の窓際にアップライトのピアノを発見す る。

「弾くの?」

・彼女も間が持たなかったのだろう、「弾いてあげようか」とすぐに席を立ち、なれた調子でピアノのフタ を開け、イスに座り、なんか、わからないウォーミングアップ的なポロポロと鳴らしたかと思うと、はじまった曲が、本作です。

・今、活動休 止してますが、花*花って女子2人のユニットがありました。音大出身で双方ピアノでボーカルというスタイルでした。覚えてますか?
・彼女らがラ ンキング番組に登場したときに、コメントをいっていたのが「だんご三兄弟」で有名になられた歌のおねえさんの茂森あゆみ氏。

「音大の人が 好きそうなハモリとかパターンを楽しんでやっておられて私も音大時代を思い出してしまいます」

・と、さりげなく「おれも音楽はたいしたも んだぜ」とあゆみお姉さんのジマンが入ってますがナルホドと思いました。

・あと、kiroroって覚えてます? 今度W出産するんで休止してるんでしたっけ? 彼女らはそのデンでいうと、中学生の親友コンビという感じ。畳の自分の部屋(沖縄出身だからたぶんちがうだろうけど、あくまでイメージね)で、2人で、 「新曲できた」って練習したり、それをまた学校の音楽室のナカヨシグループの前で披露したりしてるイメージ。

・で、加藤千晶さんは、上記 の感じ。母親にいわれて習ったピアノだけど、おもしろくなって独学で曲を作っては弟の前で披露してケラケラ笑ってそう。「田中さつきはノシノシ歩く?」と かクラスメイトの実名ソングとかそういうのを歌ってそう。

・で、テレてるのか、笑ってんか、感動してんのか、わからないまま、彼女の「も てなし」と「発表会」を聞いてる小学生の自分。彼女の方も身内以外じゃはじめて披露してるんで実は緊張してたりするんですよ。くー、甘酸っぱいねえ。

・ 困ってます。2005年のベストは[Amazon.co.jp:音楽: RUNNIN' WILD LIVE ( Amazon.co.jp 独占限定盤 )]だったのに。その座をおびやかしてます。

・タイトルどおり、カレン ダーのように1月からはじまってます。13月までありますけど。ピアノで紡がれた曲にいろいろな色をつけていく感じで13曲。

[加藤千晶食堂 - 3rd Album 『おせっかいカレンダー』]

・加藤氏 本人のページです。ジャケットは絵本作家のかこさとし氏です。いいジャケットはいいアルバム。という 説がまた強まりました。内容がとてもよく表れた絵だと思います。

・その下の方のコメント群。


『あたらし いCDを聴いて、翌日また聴かずにはいられなくなることなんてそうそうないけど、このCDは僕にそう感じさせるんだ。
僕がこのCDをどんなに好き かみんなに伝えてほしいよ。ミャオ, Tom』


・NRBQ(来日公演でオープニングアクトをつとめたそうで)のTom Ardolin氏のコメントのとおり、おれもかなり毎日聞いてます。これが本当飽きないんだ。

・ま、上記のリンク先、全曲試聴できるし ね。聞けばいいじゃん。

[Amazon.co.jp:音楽: NIAGARA CALENDAR]

・カレンダーといえば、泣く子も黙る超名作のこれがありますが、逆にこれがある分、「飛ぶ」ことができてる感 じがしていいんですよね。ややおんぶに抱っこしてる感じ?

・たとえば、13月があること。1月が「夜のバス」、5月が「カミナリ食堂」な どねえ。「おお、そうかも」ってちゃんと「季節」があるんですよ。しかも、「日本」の。だから、2月はチョコレートと梅なんですよ。

・今 は「10月 誰そ彼のうた」です。とてもいいですし、「今」な感じがします。石ころで転んで爪をはがしてヨーチンを塗るんですよ。
・ちなみに大滝 氏だと「10.座 読書」ね。読書の秋です。

・そう、ボーカルのか細い感じも小学生の少女っぽいよな。実際、歌詞カードの最後の笑顔は容 易に小4のときを想像できるお顔でしたし。

・で、矢野顕子氏みたいの想像されてるでしょ? 30%は当たり。でも、その実、「加藤千晶」 としかいいようのない味は随所に出まくってます。それを強力なサポートメンバーにバックアップされてます。なんたって、元カーネーションのギターとキー ボードが参加してますし、栗コーダーカルテットもブラウンノーズもいるんだもん。

・とくに**風ってのを丹念に避けていく感じ。ドッジ ボールの最後の1人になってるのにボールを避けまくる女子みたいに。

・メトロトロンから発売された「ドロップ横丁」という1stアルバム は「まあまあ」と思ってました。だから、2ndは買ってませんでしたが、それを後悔してるかのような名作です。名作はそのアーティストの過去に遡らせたく なる魔力がありますよね。([加藤千晶食堂 - ご試聴])

・大好きで す。買って聞いてください。ちなみに冒頭の思い出話は妄想です。

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ということでした。
この先の10年もいい音楽に出会えるといいですね。
 

プロフィール

sukekyo

活動地

富山県

自己PR

何時まで経っても銀色の円盤に振り回される日々であることよ。アルバムコンプリートするほどスキなのは、ムーンライダーズにカーネーション に相当お見限りであるけどXTC。 「ああ、そういうのね」って納得されるラインです。 ほかにも「いろいろ」と聞いてます。今ごろになり、やっと「いろいろ」といえ るくらいは聞いている気がします。それが血肉になってるかは微妙ですが。

印象に残った1枚
夏 | ヒカシュー
夏 | ヒカシュー

モノゴコロついたとき、YMO旋風はすでに吹き荒れていた。老いも若きもシンセ サイザーなるものを駆使したピコピコサウンドに夢中になっていた。風の噂によ るとあれは「テクノポップ」というものらしい。先んずりたいおれとしては「日 本のテクノポップ特集」という音楽雑誌を立ち読みしてヒカシューやプラスチッ クスの名前を知り、今は亡き富山駅前の「ユニー」でミュージックテープで 「夏」を買ったわけです。「おまえらまだYMOなんかきいてるの?」と優越感に 浸りたいがために。ヒカシューは、そうとう「なんじゃこりゃ?」ってな音楽で ありました。こんなのテクノポップじゃないと幼心に思いました。これは優越感 に浸れないぞと思いました。いきなり劇薬にふれてしまったために、その後の音 楽ライフが健全に進行するはずもないのです。そう、すなわち、今へといたる最 初の「ひと歪み」がヒカシューとなるわけなのです。

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